養殖バラマンディ
クライアント:オーストラリアン・バラマンディ農業協会
問題・課題と成果
2) オーストラリア産のバラマンディの代わりにオーストラリア産以外のバラマンディを使用し、オーストラリア産と謳うことで消費者に高い価格を請求していました。
3) 接客業者が、オーストラリア産ブランドのパラマンディであると主張していましたたが、実際にはそのブランドのオーストラリア産バラマンディを調理・販売していませんでした。
原産地証明プログラムを使えば、市場や、小売店、接客業者などが販売するバラマンディが、上記の養殖場で養殖されたものであることを証明することができます。検証された証拠を示すことにより、企業は、科学的証拠をもって、偽装の心配がないことをアピールすることができます。
詳細な内容(どんな調査を行ったか?)
原産地証明プログラムは、ハンプティ・ドゥー・バラムンディ、シーロード・キング・リーフ・バラマンディ、タッサル・コーン・ベイ・バラマンディ、インフィニティ・ブルー・バラマンディ(メインストリーム・アクアカルチャー)、デインツリー・ソルトウォーター・バラマンディ、コーラル・コースト・バラマンディ、バラマンディ・ガーデンズ、スプリング・クリーク・バラマンディなど、オーストラリア最大かつ信頼度も高いオーストラリア全域のバラマンディ養殖場を対象としています。
経済的にどれ程の価値がもたらされたか?
2016年の報告書からの引用です。
オーストラリアではバラマンディの需要が高いため、消費される大半は輸入品です(2012年、S・ウィルキンソン)。しかしながら、オーストラリア人の90%は、自分たちが食べているバラマンディはオーストラリア産だと思っています(2014年、M・デイビー)。このため、オーストラリアの生産者(漁業者、養殖業者)は、経済的に不利な状況となっています。漁業や養殖業の現場が遠隔地にある上に、政府から課される厳しい環境・労働・食品安全基準を満たす必要があるため、コストはアジ産の商品よりも大幅に高くなっています。オーストラリア水産物協同組合調査センターの調査によると、オーストラリア産であることが確認されたバラマンディに対してなら、回答者の79.3%が、より高い価格を支払ってもよいと考えていることが明らかになりました(2010年、コルマー・ブラントン)。(Page 24 - https://www.nuffieldscholar.org/sites/default/files/reports/2016_AU_Dan-Richards_The-Australian-Barramundi-Farming-Industry-Can-Australian-Barramundi-Be-The-White-Fish-Equivalent-To-Salmon.pdf)
水産物偽装についての記事 (https://news.csu.edu.au/latest-news/beware-misleading-seafood-substitution):
「たとえば、ある調査では、オーストラリア産のバラマンディを販売していると答えた店の75%が、まったく別の魚を販売していました。」
「調査によれば、オーストラリアで消費されるバラマンディの60%はオーストラリア以外のものだが、魚を食べる人の半数はそのことを知りません。」
2022年の報告からの引用です。
バラマンディの場合、オーストラリア産以外のものはオーストラリア産の40%の価格(たとえば、オーストラリア産は10ドル/kg、輸入品は4ドル/kg相当)で取引されていると推定されます。それを、消費者はすべてオーストラリア産だと思い込んでいます。(https://documents.parliament.qld.gov.au/com/SDRIC-F506/FLSAB2021-3343/submissions/00000008.pdf)
2023年、表示された水産物の11.8%が、表示と異なることが判明しました。
(https://www.nature.com/articles/s41598-023-37066-4
https://www.inqld.com.au/insights/2023/08/04/something-fishy-10-per-cent-of-seafood-we-eat-is-not-what-we-asked-for)